晴空便り

エッセイスト・生け花アーティスト・末富晶の晴れた空へつながるブログ

春の水やり

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春の陽気を感じる日々となりました。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 

この晴空便りのブログは、

元々どなたかへのお手紙を書くような気持ちで綴ってみようと始めていて、

 

風船のひもに結んで飛ばすように、

ふわふわと風にゆられた後、

誰かのもとにたどり着いたらいいな…という思いでいつも書いているのですが

その「誰か」がどんな方なのか、全く宛てはないので 

時折、晴空便りのホームページからメッセージを送ってくださる方がおられると、

その時にはじめて、

ああ、宛てもなく漂っていたあの手紙が届いたのだな、と知ることができ、

とても嬉しい気持ちになります。

 

メッセージをくださった方、

本当に、ありがとうございます。

 

 

さて、春分も過ぎ、みなさんの生活の中でも、

日々つづいていること、変わっていること、

いろいろあるかと思いますが

 

私もまた、思いもかけない新しい展開もめぐってきていて、

楽しいやら勉強が必要やらで、何やらわたわたしております。

 

ほんの少し前、、、この前にブログを書いた、一か月ほど前までは

まだそんな兆しはさっぱり現れておらず、

冬の日々から本当に春に変わっていくのかしら、と疑うような気持ちだった気がするのですが

 

なんのなんの、知らない間に季節はめぐり、

準備のととのった木々は、ちゃんと花咲く時を迎えるようになっているのですね。

 

自分の生活、暮らしと呼ばれるものは、

どんなことに日々、多く意識を向けているかでその内容が変わってくるものなのだろうと思いますが。

 

自分の世界の中での自らの意識とは、そういう意味では

植物にとっての、水のようなものなのかもしれないと感じます。

 

どんなことに意識をかけるかで、どんな花が咲くかが決まってくるとすれば、

どんな種に水をやるのかということが、

日常の延長上でほとんど無意識にしていることの多い、その選択こそが、

本当はかなり、重要なことで。

 

今、この瞬間、いったい何の種に水を与えているのか。

 

あらゆる瞬間で、ふと立ち止まってそう考えてみることは、

きっといつの時にもその人自身の助けとなるのでしょう。

 

自分が水をやっている種がどういった種類のものなのかを知っている人には、

おそらく冬の間にも、やがて訪れるその人の花の景色が見えていて

 

たとえ動かぬ日々が続いていても、

大きな安心感とともに、春を待てるのかもしれません。

 

 

さきほどまで、

過去に生きた偉大な日本画家たちの人生を綴った本を読んでいたのですが

さらりと短いページ数でまとめられたその一生のほんの断片の、

それでもなお、そこからつたわってくる生きた命の気配に心動かされ、

 何度も何度も、うなっていました。

 

昔の人はすごかった。

 

という思いにかられるのですが、

 

今生きている人たちも、

おそらく本質的に持っている人間としての力は

そうは変わらないはずで。

 

私が見えていない場所にも、今現在もすごい人は生きておられるのだろうし、

外ばかり見ていないで、自分の中にもその種子を見つけることができれば、

絶えず水やることにつとめてあれれば、

すごい人がいたものだな、と他人事として呑気に言っている間は

実はないのかもしれません。

 

 

最近よく感じることに、

果たして本当に時間は有限なのだろうか、という思いがあります。

 

よく、命には限りがあり、

人生は短く、

あっという間に終わるのだから、

だからこそ、今を大事に生きよう…ということが言われていると思うのですが。

 

 

 

世の中はつねに、矛盾に満ち溢れているから、

もしかするとその全く反対のことも同時に、真実ということがあるかもしれない。

 

もしも、時間に限りがなく、

 命というものは永遠なのだとしたら。

 

そうした思いで目の前を眺めてみると、

とても不思議なのですが、

「命と時間に限りがある」と思って見るのと同じか、もしかしたらそれ以上に、

くっきりと輪郭を持った風景が浮かび上がってくる感覚がするのです。

 

無限の中の命ならば、なおのこと、

今この時を、大切に思うような。

 

うまく言葉にできませんが、そんな気持ちになり、

有限の時間と、無限の時間と、

その両方から、世界を見ていくことが

目の前の景色を、より深いものにしていくのかもしれない。

 

そんな予感がしてきます。

 

 

 

だんだんと、あちこちで、

 

さくらさく。

 

その風景を、楽しみに。

 

 

みなさまどうぞそれぞれに、

良い春の日々をお過ごしください。

 

 

  末富晶 -Sho SUETOMI-

 

 

 

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