晴空便り

エッセイスト・生け花アーティスト・末富晶の晴れた空へつながるブログ

講演「不登校でも大丈夫」を終えて

f:id:seikuudayori:20181206111319j:plain

 

 

今年もあと少し、といった空気が漂う12月。

いかがお過ごしでしょうか。

 

 

11月はありがたいことにほぼ毎週、色々なところに著書「不登校でも大丈夫」を携えて出かける機会をいただき、その中のいくつかでは、講演やお話会といった形で本の内容やもう少し詳しい事柄についてお話させていただきました。

 

本当はその都度、「お知らせ」と「ありがとうございました」の記事を書けたら良かったのだけれど。

 

荒れる波に乗るような気持ちでカタく身構えて過ごしてしまったので、なかなか思うように肩の力がぬけた文が書けず、書いては「何か違うなぁ…」と思って書き直し、、、という繰り返しだったので、結局すべて終わってしばらく経った今頃になってポツポツとやっと力のぬけた感じになれているわけです。

 

お花を生ける時にはいつも、いかに力のない時に力のないままでいられるか、つまり「いかに「そのまま」で在れるか」ということが私にとっては課題となるのですが。

 

一言で表すとしたら「自然体」というものに近いのでしょうか。

「自然体」でいるというのは、言葉にするのは簡単でも、言うは易く行うは難し…。

 

私は他の方から「いつも自然体だね」と褒めて(?)いただくことも多いのですが、それはもうほぼ人生をかけてそのようになるよう努めているからであって、

他の多くの人と同じか、もしくはそれに見合うだけの動きをこなそうとすればたちまち、バランスの取り方に苦心したりもするのです。

 

けれど、ともかく今年は本の出版という大きな出来事も起こり、有り有りと次のステージに来たと知れているから。

 

今までの、凪いだ海に浮かんで心も穏やかに…

といったことから一歩進んで、動きのある波にいかに軽々と乗っていけるか、

そういうところを、来年の楽しみとしていきたいと思います。

 

 

お礼が遅れてしまいましたが、先月のお話会・講演会・本の販売の日にお越しくださった皆様、本当にありがとうございます。

 

中でも11月25日の講演会は緊張のクライマックスで、多くの方の前でお話をさせていただくのはもう何度目かにもなるのに、相変わらず、

「ええい、やるしかない」といった、と場慣れとはほど遠い心持ちでした。

平然とこなす日が来るとは到底思えないのですが、その日などは高い壇上から広々とした会場に向かってマイクでお話させていただく形で、おこがましいことこの上なかったので特にそれに慣れる必要はないのかもしれません。

 

今回は会場で本も販売していただき、なんとサイン会まで開いていただいて、何と書いて良いか気持ちを表すのがとても難しいのですが、これはもう私事を越えた何かが起こっているのだと改めて認める他ありません。

 

色々な意味で、これは自分の仕事なのだと感じています。

 

 

講演でもお話させていただいたように、私は小さな頃、誰にも邪魔されずに自分の世界に浸るのが大好きな子どもでした。

 

六畳一間も広すぎるように感じ、きっと同じ感覚を持っていた方も多くおられるだろうと察するけれど、暗い押し入れの中に自分の小部屋をつくって当時の宝物を色々と持ち込み、そこでじっとしていることが、とても安心で心地よかったのを覚えています。

 

 

だけれど、その押し入れの平安はかりそめで、いつか必ず、終わりがくる。

 

いつかは大人になって、そこから出て行かなくてはいけない。

 

 

そのことは幼い私にとって、

不登校児となってもずっと続く、

長年の不安であり課題であり懸案事項だったのですが。

 

 

 それがまさか、大どんでん返しのように、

 

その押し入れの中で守ってきたもののおかげで

 

その小さな世界で大事にしてきた経験のすべてが

 

いつの間にか

 

「これが自分の仕事」

 

と言えるものになっている。

 

 

大げさでなく、こんなに幸運なことは他にないのかもしれません。

 

 

 時折、「みんなと同じが良かった」と嘆くこともあったけれど。

同じであれない自分を、むなしく思うこともあったけれど。

 

 

小さく思えた自分の世界を、

その押し入れの戸を、内側から開いたら。

 

それは等しく

「みんなの世界」

とつながっているものだった。

 

 

ひなどりが殻の内から生まれるために、

外からの呼びかけがあるように。

 

 

啐啄同時のその時は、

 

「自分」と「自分以外の全ての事柄」の双方の働きによって決められる。

 

 

幾度も訪れるその機会を粛々と待ちながら、

その度ごとに、より良い方へと変容していけますように。

 

 

 

 

 

しばらく冬とも思えぬ暖かな日が続いていましたが、週末は気温が下がるようです。

 

みなさまどうぞお身体ご自愛の上、

素敵な日々をお過ごしください。

 

 

 

   末富 晶 -Sho SUETOMI-

 

 

 

著書「不登校でも大丈夫」(岩波ジュニア新書)発売中です

www.iwanami.co.jp

 

 

末富晶のホームページ「晴空便り」

メッセージ・お問い合わせはこちらからお送りいただけます

seikuudayori.wixsite.com