晴空便り

造形詩家・末富晶の晴れた空へつながるブログ

ブレンダンとケルズの秘密

 

「ブレンダンとケルズの秘密」という、とても美しいアニメーション映画があります。

 

 

私がこの映画のことを知ったのは2〜3年くらい前でしょうか。

 

たまたま、ネットのどこかで見かけ、その映像と音楽にたちまち虜になりました。

 

一度だけ東京のどこかで上映されていたと知り、

知った時にはもう遅く、

見る事はできなくなっていて。

 

日本語字幕はその時一回きりで日本語版DVDもないと分かり、

 

わざわざアイルランドからCDとフランス語版のDVDを取り寄せて、何度も見た映画です。

(どうでもいいですが、DVDが入った茶色い紙袋が届いたとき、向きも何もお構いなしにあっちゃこっちゃ無造作にいっぱい切手が張ってあったのを見て「おお、海外から届いたな」と妙な実感が沸きました)

 

 

私が好きなものがいっぱい散りばめられたアニメでして、

日本語版はないし、紹介しても仕方がないけれど

自己満足に終わっても、いやこれはぜひ紹介したい。

 

フランス語できる人なら持ってるDVDを無理矢理にでも見せたい(いや嘘です)と思っていたのですが。

 

 

雰囲気だけでも味わってもらおうと思って、海外版の予告編をこのブログに載せるため、久しぶりに検索してみたところ…。

 

 

なんと、この夏に日本上映が決まっていました!(驚)

 

…ブログを始めて早一年以上ですが、初めて「大」フォントを使うほどの驚きです。

 

 

secretofkells.com

 

 

日本でも、それも各地で、劇場で、見れるらしいです。

 

上に張った公式ページのリンクから、予告編と内容が見れますので、興味を持たれた方はぜひ。

 

私もずっと小さなPC画面でのフランス語版しか見てないので、

複雑なフレーズになるとほぼ理解できず、

結構な部分を想像で補っていました。

 

はじめて日本語字幕で見れる…

きっと「えー、ここはこう言ってたのか」など色々と発見があることでしょう。

 

ああ、嬉しい。

 

 

こんなに勢い良く「良いよ」とおすすめしておりますが、もちろん「誰にでもそう」とは限らないとは思います。

 

私はちょっと特別、何かこのテーマと、アニメーションの雰囲気に合うものを持ち合わせている…と、自分でも感じるので、他の人にとってはそれほどでもないかもしれません。

 

 

アイルランドは昔から、私にとって、それほどよく知らないのに親しみのある懐かしい国です。

 

十代の頃からケルトの音楽が大好きで、

二十歳くらいの頃、お金をためて10日間ほどアイルランドに出かけました。

 

その頃何かと一緒に行動することが多かった兄と一緒に、二人旅。

 

最終的には最果ての島と言われるアラン諸島のイニシュモア島まで行き、

岩ばかりの遺跡の断崖絶壁に立ち、こんなところまで来てしまった…と思うと同時に、海に暮れ行く夕日に既視感を覚えたことを今でも強烈なイメージとして思い出すことが出来ます。

 

きっと私の魂と、何か深い関わりがある場所なのでしょう。

 

 

「ブレンダンとケルズの秘密」は、「ケルズの書」という9世紀に作られた見事な装飾の福音書をテーマにした映画なのですが

 

私はこの時の旅行の際、「ケルズの書」の本物も、ダブリンのトリニティ・カレッジ図書館にて幸運にも見ることができています。

 

その時のこともやはり記憶に色濃くのこっているのですが、

ダブリンを散策中、さて念願のトリニティ・カレッジ図書館へ…という時、兄が確か急に「体調悪いからホテルに戻る」と言い、

私は一人でも行くか、それとも兄と一緒にホテルに戻るか選択を迫られたのです。

 

なんせ一人で外国を歩く、ということはそれまで一度もしたことがなく。

 

英語を話せるわけでもなく。

 

それまでの私の常識からしたら、兄と一緒にホテルに帰る安全策を取る、、、ということになりそうだったのですが。

 

やはり、どうしても、なぜか、行きたかった。

 

大げさなようだけれど、その場所から呼ばれている気がしたのです。

 

えいやっと勇気を出して一人で行ったトリニティ・カレッジ図書館は、

「うわぁ」と声が出るほど圧倒的なすごい場所でした。

ファンタジー物語の世界に迷い込んだような空間…天井まである大きな本棚と、とてもじゃないけれど一生かかっても読み切れないだろうほどたくさんの古い本たち。高く添えられた木の梯子。

 

その中をぬけ、

ドキドキと見たケルズの書と古いハープ。

 

一人でここにいる自分を、なんだか不思議に思ったものです。

 

 

 「ブレンダンとケルズの秘密」は

あの記憶がよみがえる、この「ケルズの書」のお話とあって、

特別に感じ入ってしまうのかもしれない、というわけです。

 

 

「ケルズの書」はいったいどうやって作られたのか、

その制作技術や画材などについて

まだまだ謎が多いらしいのですが

 

「実は、こうして作ったんだよ」

 

という秘密が、この映画には描かれています。

 

ある人にとっては、おとぎ話だと笑って相手にされない内容かもしれませんが

 

私には、これは案外、真実に近いのかもしれないと思えるのです。

 

 

 

ブレンダンとケルズの秘密。

この夏上映の、嬉しいお知らせでした。

 

 

 

   末富 晶

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