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晴空便り

造形詩家・末富晶の晴れた空へつながるブログ

透明な景色の向こうに

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昨日はなんだか急に暖かくなって、冬の装いを残したままの部屋に、窓を通して明るい日差しが差し込む日となりました。

 

バスの後ろの席から、入学祝いの相談をするご夫婦の会話が聞こえてきて、

お孫さんの年齢は存じ上げないけれど、京都のどこかよい画材屋さんで画材を買って贈ろうと思うがどこがよいだろうか。。。といった微笑ましい内容に、なんだかほのぼのとした気持ちとなったのです。

 

これから町が桜で染まり、

新しい職場や学校に通って新しい出会いをする人もたくさんいる時期なのですね。

 

私はあいにく卒業とも入学ともあまり縁のない人生を過ごしてきましたが、

それでも何か、春には他の季節にない特別な美しさを感じます。

 

花は桜木 人は武士

 

とは、よく聞きますが。

 

 

生と死が同じ空間に同時に存在するような。

 

いつもの景色がふと透明になり、その奥にもう一つの見えない世界が立ち現れるような。

 

 

美しい春爛漫の景色の中に、けれど同時に、静かなもう一つの世界が透けて見える。

 

 

私たちにはそれを感知する力があるのだと、いっそう強く知らせてくれる季節なのかもしれません。

 

 

 

言葉の意味よりも、その声の響きを。

 

人の姿形よりも、その影の揺れを。

 

どの花びらの色よりも、よりいっそう深く、花と花との間にある空間を。

 

見ることのできる、人でありたい。

 

 

それはいつもの世界と真逆の視点だから。

 

現代社会を生きる上で、そんな必要はない、と言われてしまうかもしれないのだけど。

 

 

自分が今いるこの場所と、自分が今持つこの感覚が、

ともすれば全てだと思いがちなこのうぬぼれを、

そのもう一つの世界の存在はそっと諭してくれる。

 

そんな気がするのです。

 

 

世界はまだまだ、未知で満ちていて。

 

そのことが、今の私にはとても嬉しい。

 

 

 

ひと時の春。

 

味わいながら、まいりましょう。

 

 

 

   末富 晶

 

 

 

4月30日(日)

京都パレスサイドホテルにて開催の「こ・こ・か・ら」さんに出展させていただきます。

心のままに花を生ける、晴空便りの生け花を体験していただけます。

私はほとんど会場にいると思いますので、よろしければふらりとお出でください。

詳しくはこちらへ↓

晴空便り「生け花の時間」

 

<晴空便りホームページ>

 

seikuudayori.wixsite.com